再生医療の相談を始めると、「このクリニックの先生とは友人だ」「昔からの知り合いだから任せて」といった形で声をかけられることがあります。
医師と一緒に写った写真を見せて関係性を強調する人もいますが、こうした紹介の多くは医療機関と正式な契約関係を持たない“個人ブローカー”によるものであり、正式なルートとはまったく異なります。
また、中には治療相談をきっかけに、悪質なマルチ商法や投資グループへの誘導を目的としたケースも報告されており、十分な注意が必要です。
個人仲介は治療内容や医療上の注意点を正確に理解していないことが多く、患者さまの病状や検査情報を医師に正しく伝えることができません。
その結果、誤った前提で治療方針が決まってしまったり、安全性が損なわれる可能性があります。
また、正式な窓口を経ずに費用を支払うと、手続きが不透明なまま進み、最悪の場合“持ち逃げ”につながることがあります。
医療機関が設定していない架空のプランを作って販売する悪質な例も実際に確認されています。
正式な医療機関では厳格な情報保護体制がありますが、個人仲介にはその仕組みがありません。意図せぬ情報流出や第三者への共有など、取り返しのつかないトラブルにつながる恐れがあります。
治療後に不安や相談が生じても、個人仲介は責任を負う立場ではないため対応できません。
連絡が取れなくなることも多く、治療内容の確認や書類の再発行、体調の相談など、本来受けられるべきサポートが途切れてしまいます。
その結果、患者さまの不利益が大きくなるケースが見られます。
また、個人仲介が自らの利益目的で、治療とは無関係の商品やコミュニティへの参加を勧め、患者さまを不透明なやり取りに巻き込んでしまうトラブルも報告されています。
医療は「誰の知り合いか」で判断するものではありません。安全性、料金の透明性、診断の正確さ、アフターケアまで、すべては公式窓口を通じているかどうかで大きく変わります。
少しでも不安を感じた場合は、必ず公式窓口へご確認ください。
