初めて幹細胞治療や再生医療をご検討される方向けに、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。
専門用語についてもできるだけわかりやすく説明しています。
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再生医療とは何ですか?
再生医療とは、病気やケガで損傷した細胞や組織を修復・再生し、本来の機能を取り戻すことを目指す医療分野です。
新しい細胞を補充したり、自己治癒力を高めたりすることで、従来は治らないとされた状態の改善を図ります。具体的な手法には、私たちが提供する幹細胞を用いた治療のほか、組織工学(人工的に組織・臓器を作る技術)や遺伝子治療なども含まれます。
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再生医療は何に使われていますか?
再生医療は非常に広範な疾患に応用されています。
例えば、脳や脊髄の損傷、心筋梗塞後の心臓の傷、目の角膜や網膜の病気、関節の軟骨損傷など。さらにはパーキンソン病やアルツハイマー病などの神経疾患、1型糖尿病のような自己免疫疾患、重度のやけどや難治性の傷の治癒促進にも研究・応用が進んでいます。
また近年ではがん治療への応用(免疫細胞療法など)や、老化予防(アンチエイジング)分野でも再生医療の技術が注目されています。
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幹細胞治療とは何ですか?
幹細胞治療とは、幹細胞という特殊な細胞を用いて体の機能回復を図る治療法です。
幹細胞は自分自身を複製する能力と、さまざまな細胞に分化する能力を持っています。
体内には骨髄や血液、脂肪組織、新生児の臍帯(へその緒)などに存在し、ダメージを受けた組織を修復したり、失われた細胞を補充したりする役割を担います。幹細胞治療では、患者様ご本人の幹細胞(自家由来)またはドナーから提供された幹細胞(他家由来)を体内に投与し、その再生能力によって病気やケガの治癒を促進します。
23Cが採用するウォートンジェリー幹細胞は臍帯由来の間葉系幹細胞で、他の幹細胞に比べ特に高い再生ポテンシャルを持つことが知られています。
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NK細胞療法とは何ですか?
NK細胞療法は、免疫細胞の一種であるNK細胞(ナチュラルキラー細胞)を活性化・増殖させて体内に戻し、免疫力を高める治療法です。
NK細胞は、がん細胞やウイルス感染細胞など“身体にとって好ましくない細胞”を見つけ出して攻撃・排除する働きを持っています。しかし、疾患の進行や加齢によりNK細胞の機能が低下すると、がん細胞への攻撃力が弱まったり感染症にかかりやすくなったりするのです。
NK細胞療法では、一度患者様から血液を採取し、その中のNK細胞を体外で培養して数を増やしたり活性度を高めたりすることができます。その後、強化されたNK細胞を点滴で体内に戻すことで、免疫監視機能を高め、がんやウイルスへの抵抗力を向上させます。
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セクレトームとは何ですか?
セクレトームとは、幹細胞が分泌する有効成分(サイトカインや成長因子など)を含む液体で、炎症を抑えたり、細胞の修復や再生を促したりする働きがあります。
エクソソームは、このセクレトームに含まれる成分の一つで、細胞間の情報伝達を担います。
セクレトームにはエクソソームをはじめ、さまざまな有効成分が含まれており、より幅広い治療に応用できます。再生医療の分野では、セクレトームの利用は比較的新しく、特に皮膚の若返りや創傷治療、関節痛の緩和などに活用されています。
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幹細胞治療の費用は保険でカバーされますか?
日本の健康保険では幹細胞治療の費用はカバーされていません。
自由診療としての提供となりますので、詳しくはお問い合わせください。 -
治療時間はどれくらいですか?
幹細胞の点滴療法の場合、点滴ラインを確保してから細胞を体内に入れるまで約60~120分ほど見ていただければ十分です。
ただし、患者様ごとの症状や治療内容によって多少前後します。
例えば関節への注射を伴う場合は処置時間が追加されたり、細胞数が多い場合は点滴にもう少し時間をかけることもあります。
詳しいスケジュールは個別にご案内いたしますので、ご安心ください。詳しくはこちらをご覧ください。
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治療が効果を発揮するまでにどれくらいかかりますか?
効果の現れ方やタイミングは疾患の種類や個人差によって異なります。
早い方では、治療直後から痛みの軽減や症状の改善を感じるケースもあります。例えば関節リウマチで関節内に幹細胞を注射した患者様では、治療直後から腫れが引き痛みが和らいだという報告もあります。
一方、神経の修復や臓器の再生を伴うケースでは、効果実感までに数ヶ月単位の時間を要することが一般的です。目安として、治療後3~6ヶ月ほどで幹細胞が最大限に機能し始め、症状の大きな改善が見られることが多いです。
幹細胞は体内で生着し必要な細胞に分化するまでにある程度の時間がかかるため、ゆっくりと身体が変化していくイメージです。例えば脊髄損傷のケースでは、治療から半年後に筋力が向上し始め、その後1年かけて歩行能力が改善した例もあります。
多くの研究や臨床試験でも、幹細胞治療の効果は時間経過とともに高まる傾向が報告されています。焦らず経過を見守りつつ、定期的なリハビリや検査を受けながら効果判定をしていくことが大切です。
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幹細胞はどこから提供されていますか?
23Cで提供する幹細胞治療では、健康なドナーから提供された新生児の臍帯(へその緒)を利用しています。
具体的には、帝王切開で出産に至ったお母様から、出産時に不要となった臍帯をご寄付いただき、そこから幹細胞を抽出・培養しています。
ドナーとなる母体については事前に感染症スクリーニング(B型C型肝炎、HIV、梅毒など)や健康状態の評価が行われ、厳しい基準をすべてクリアした場合にのみ臍帯が提供されます。赤ちゃんやお母様に安全上の問題がないことはもちろん、提供自体にも倫理的な問題がない形で行われます。
提供された臍帯は直ちに滅菌処理された上で、当社提携のNPRA認証細胞培養施設(23Cラボ)にて幹細胞の抽出・培養が行われます。
採取から培養まで一貫して高度な管理下に置かれるため、安全で高品質な幹細胞が得られます。こうして培養・準備された幹細胞が、所定の検査をすべてクリアした後に治療用として使用されます。
ドナー情報や細胞のロット情報はすべて記録されており、追跡可能な状態で管理されていますのでご安心ください。なお、日本国内では他人の臍帯由来幹細胞を用いた治療は未承認で受けられませんが、マレーシアでは公式の枠組みの中で安全に利用されています。
このドナー由来幹細胞の利点は、患者様ご自身から採取する必要がないため体への負担が少ないことと、何より生まれたての赤ちゃん由来の非常に若くパワフルな細胞を利用できることです。自己細胞では得られない効果が期待できる点で、大きなメリットと言えます。
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幹細胞治療に副作用はありますか?
幹細胞治療は非常に副作用の少ない治療とされています。
これまで世界的に見ても、幹細胞点滴による重大な副作用(命に関わるような事態)はほとんど報告されていません。23Cの臨床試験や治療でも、重篤な有害事象は確認されていません。
可能性のある副作用としては、一時的な発熱や頭痛、吐き気などが挙げられます。点滴後24~48時間以内に軽い免疫反応として発熱するケースや、頭痛・倦怠感が出るケースがありますが、通常は数日以内に自然に消失します。
これらは身体が幹細胞を受け入れる過程で起こる一過性の反応と考えられています。
また、ごく稀に点滴部位の痛みや発疹などが見られることがありますが、適切な処置で速やかに改善します。大切なのは、治療後もしばらく体調に注意し、異変を感じたらすぐ医療者に連絡することです。
当社でも帰国後のフォローアップ連絡を行い、副作用の有無を確認いたします。 -
ウォートンジェリー幹細胞は他の幹細胞と何が違うのですか?
ウォートンジェリー幹細胞は、成長力・修復力・免疫調整力を兼ね備えた、最も若く活性の高い幹細胞です。
他の代表的な幹細胞である骨髄由来MSCや脂肪由来MSCと比較して、以下の点で優れています。- 増殖能力が高い: WJ-MSCは体外で培養した際の増殖スピードが速く、短期間で大量の細胞を得ることができます。
骨髄や脂肪のMSCに比べ数倍の増殖率との報告もあります。
これにより、高濃度の細胞を使った治療が可能になり、効果を高めやすくなります。 - 分化できる範囲が広い: 幹細胞が変身(分化)できる細胞の種類が多いほど、様々な組織の再生に役立ちます。
脂肪由来MSCは分化できる範囲が比較的限定的ですが、WJ-MSCは神経や軟骨、骨、筋肉、肝臓など非常に幅広い細胞へ分化可能とされています。
これは赤ちゃん由来の幹細胞が全能性に近い性質を部分的に持つためで、理論上あらゆる臓器の修復に関与できる可能性があります。 - 免疫調整力・抗炎症作用が強い: WJ-MSCは傷んだ組織の修復を促すだけでなく、炎症を抑えて免疫バランスを整える働きが非常に強力です。
そのためリウマチなどの自己免疫疾患や、慢性炎症を伴う疾患にも高い効果が期待できます。
さらに、がんに対しても免疫を介した予防効果が研究されています。 - 若く活性が高い: 採取源が新生児の臍帯であるため、細胞自体が老化しておらずテロメアが長い(=細胞寿命が長い)ことが知られています。
培養を繰り返しても劣化しにくく、患者様の体内でも精力的に働いてくれる点が利点です。
以上のような理由から、世界的にもウォートンジェリー幹細胞は再生医療の新たなスタンダードとして注目されています。
詳しくはこちらをご覧ください。
- 増殖能力が高い:
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日本でウォートンジェリー幹細胞の治療を受けることはできますか?
残念ながら、現在の日本ではウォートンジェリー幹細胞(WJ-MSC)を使った治療が受けられる医療機関は現在は存在していません。
日本では再生医療等安全確保法により、幹細胞治療を行う医療機関は事前に届出を行い審査が必要ですが、第一種に分類される他人由来の幹細胞治療の届出リストにはウォートンジェリー幹細胞の届出は出されておりません。
そのため、日本人がウォートンジェリー幹細胞治療を希望する場合、マレーシアのように法整備が整った国へ渡航して受ける必要があります。
幹細胞および細胞ベースの研究・治療に関するガイドライン(第3版)
23Cはマレーシア保健省認可の施設で、安全かつ効果的にウォートンジェリー幹細胞治療を受けられるようサポートしております。
日本では受けられない先端医療を、規制が確立した環境で提供できることが私たちの強みです。
将来的に日本で承認される可能性もありますが、現時点では海外医療に頼る形となります。詳しくはお問い合わせください。
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幹細胞治療の費用はいくらですか?
費用は治療内容や回数、投与する細胞数によって大きく変動します。
そのため一概に「〇〇円」とお答えすることが難しいのが実情です。
23Cでは患者様のご予算も考慮し、可能な範囲で最適なプランをご提案いたします、不明点は遠慮なくご質問ください。こちらをご覧ください。
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実際に施術する場合、何日マレーシアに滞在しますか?
最短では2泊3日の滞在で治療が可能です。
例えば金曜に日本を出発し、土曜に治療、日曜に帰国するといったスケジュールが組めます。詳しくはこちらをご覧ください。
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セクレトームと幹細胞は違うのですか?
はい、異なります。
セクレトームは、前述のとおり幹細胞を培養した際に細胞から分泌される成長因子やサイトカインなど有効成分を含む液体で、生きた幹細胞自体は含まれていません。
治療目的によって使い分けられますが、重篤な疾患や大きな組織修復が必要な場合は幹細胞そのものを使う方が効果的です。
一方、比較的軽症で炎症を抑えたい場合や、美容目的(肌の若返り等)ではセクレトームを点滴する手軽な方法が選ばれることもあります。それぞれメリットがありますので、患者様の希望と状態に合わせ23Cが適切にご提案いたします。
詳しくはこちらをご覧ください。
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他人の幹細胞を投与して遺伝子は変わりませんか?
他人の幹細胞を投与しても、患者様自身の細胞の遺伝子が変化することはありません。
幹細胞治療の効果は、投与された幹細胞が直接組織に統合されたり、患者の遺伝情報を書き換えたりすることによるものではなく、患者自身の細胞を活性化し、機能回復を促す働きによるものです。そのため、幹細胞を投与したからといって、DNAや遺伝子が変化することはありません。
かつては、移植された幹細胞が損傷した部位に移動し、その組織に統合されて特定の細胞へ分化することで治療効果を発揮すると考えられていました。しかし、現在の研究では、損傷部位に長期間生着する移植細胞の数はごくわずかであり、治療の主なメカニズムは幹細胞が分泌する生理活性物質によって、患者自身の細胞が修復されることであるとされています。
したがって、幹細胞治療によって遺伝子が変わることはなく、安全性が確保されています。
参照: frontiers
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